なぜ発問を使った指導が有効なのか?
考える力、つまり思考力を伸ばす教育は昨今の教育テーマのひとつと言っても過言ではありません。入試制度改革においても子どもたちの思考力をはかるための作問を試行錯誤しています。
LFL家庭教師では当初より子どもたちの思考力を伸ばすための指導方法を採用しています。そこで、このコラムでは思考力を育成するための方法のひとつである発問を中心とした指導をご紹介したいと思います。
発問とは、質問を発すること、を言います。
たとえば、
「将来、どうなりたいの?」
これは、私が子どもたちに対して繰り返し何度も行っている発問です。
- 発問すること
- 発問されること
は思考力を伸ばす指導において大変に重要な役割を担います。
発問は、学習を促す効果や、頭を活性化させる効果もあり、その効用は私たちの日常生活のなかでも感じることが多いです。
では、さっそく発問をたくさん取り入れた指導することのメリットを2つ見てきましょう。
メリットその①
- 発問によってお子さん自らが考えるように促すことができる。
先生が解答を通り一辺倒で説明することは簡単です。当たり前ですが、先生はその内容を熟知しているので、簡単にお子さんに教えることができます。
しかし、これではお子さん自身が自分の頭で考えようとする習慣が身につきません。つまり思考力が育ちません。これでは最近よくある映像授業やyoutubeなどの授業動画をぼーっと眺めているだけの非効率な学習と同じになってしまいます。
大切なことは、お子さん自身が自ら考え、答えまで辿りついてもらうことです。
ただし、お子さんに「自分で考えなさい」といっても、何をどうやって考えていくのか…考えるための道筋がないため、結局、何もわからないままになることもあるでしょう。
そこで、お子さんに対して先生が発問することで、お子さん自身にその答えを考えてもらうきっかけをつくります。苦手分野ならより丁寧な発問で情報量を多くする必要があるでしょう。得意分野なら重要ポイントに的を絞った発問だけでよいかもしれません。
考え始めるきっかけだけを先生が発問という形で行い、その後はお子さん自身に考えさせるのです。こうすることによって、自分で考えていこうとする習慣が身に付きます。
答えをすぐに教えることとは違い、とても手間のかかることではありますが、お子さんに自分で考えさせる習慣を身に付けさせる指導ができます。いわゆる「自分で考える力」「自分で考えようとする力」つまり、思考力を育てることができる、ということです。
わからない問題であっても、お子さん自身が自分の頭で考えようとする習慣を身に付けさせることができる点は大きなメリットです。
メリットその②
- その発問そのものを自分自身に発することができるようになる。
先生が隣にいる状態であれば、先生が発問を考え、お子さん自身に考えるよう促すことができます。しかし、このままでは先生がいないと自分で考えることができなくなってしまう恐れがあります。
自分ひとりで学習を進めるには、先生がいなくても、自分自身に発問を行うことが必要です。
そこで、ゆくゆくはお子さん自身が自分自身に対して発問を行うことができるように、先生が繰り返し・繰り返し同じ発問をするのです。暗記させてしまうくらい同じ発問をしてもよいでしょう。それによって、その発問をお子さん自身が自分自身に対して発することができるようになります。
自問自答できるようになればOK
たとえば、冒頭で挙げた
「将来、どうなりたいの?」
といった発問は私がよく行うものです。
ご両親及びお子さんとの初めてのご面談の席でもこの発問を投げかけています。
将来、誰しもが考え悩むことになる重要な発問であり、なるべく早い時期から考えておいたほうがよい内容ですので、私が指導している間に、何回も何回も意識的に繰り返しています。
そのうちに、お子さん自身が自分自身に対して、
「将来、どうなりたいんだろう?」
と思うことが増え、自問自答するようになれば、目的を達成したことになります。
これによって、先生がいなくなったあとでも、考えはじめるためのきっかけである発問を自分自身で行うことができるのです。
以上の2つが発問を使った指導のメリットです。
まれにある留意事項…
ここで、私の経験談のひとつとして、留意事項を挙げておきたいと思います。
稀に、先生から発問されることで、お子さんが責められていると勘違いをしてしまうことがあります。
発問の言い方や言い回しにもよるのかもしれませんが、発問をする度に、極度にお子さんが緊張しているようであれば、上記の2点の発問の意図を説明したほうがよいと思います。こういったお子さんは、聞かれたことに対して、正確に答えなければならない、と思い込んでいます。もしくは間違えると怒られると思っているのかもしれません。
また、発問に答えることに慣れていないお子さんの場合は、はじめは簡単な発問から入ってあげると効果的です。少しずつ難しくしていくことが望ましいと思います。
発問中心によって主体的な思考習慣に
ゆくゆくはお子さんが自分ひとりで社会で一人立ちすることが求められます。自分自身に問いを発して自問自答を繰り返すことができるような人になれば、どんどん自分で考え続けることができるようになるでしょう。
他人から言われて考え始める人なのではなくて、自分の意志で自ら考えるお子さんに育っていくのです。
発問を中心とした指導は、お子さんの主体的な思考習慣を育成するための方法です。
まとめ
発問を中心とする指導は、お子さんの頭をフル回転させ、指導時間を有意義なものにします。
わからない問題に対しても粘り強く考えようとする力(思考力)を伸ばすことができますので、大変に重要な指導方法と言えます。
ご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。