「スピードと正確さは、どちらが大事ですか?」
「スピードと正確さは、どちらが大事ですか?」
先日、私が数学を担当している勇二くん(仮名)から上記の質問を受けました。これはどの教科でもよく受ける質問のひとつです。そこで、このコラムではこの質問に対する答えを述べていきます。
勇二くんは、計算問題を解く上で、下記の2つの間で悩んでいました。
- 計算スピードを早くしようとすると、間違いが増えてしまう
- 正確に答えを出そうとすると、計算スピードが遅くなってしまう
この悩みを抱えているお子さんは多いです。特に、制限時間が定められたテストがあるときに顕著に表れます。
私は、勇二くんから上記の質問をもらい、とてもよい悩み方をしているな、と感心しました。勇二くんは、志望校に合格するためにこの悩みを解決する必要がありました。
正確さが先、スピードは後。
そこで、この目的を達成させるにあたって、私は下記のようにアドバイスしました。
「スピードが早くても、間違えたら得点にはならないよ」
「だから、まずは正確さを徹底させよう!」
「そのあとにスピードの練習しよう」
「正確さが先!スピードは後だよ!」
勇二くんの場合、現在の状態から考えると、最終的には現状よりもスピードも必要ですし、正確さも必要です。どちらか一方だけでは、目的を達成することができず、どちらも必要な状態なのです。
しかし、1度に2つを同時に達成させることが難しい状態です。そこで、まず1つを達成したあとに、それを維持しながらもう1つを達成する、という流れで指導し、目的を達成させることにしました。
なぜ、正確さが先でスピードは後なのか?
先ほどの勇二くんへのアドバイスを2ステップに分解すると下記になります。
- ステップ1:まずはゆっくりでもいいから、とにかく正確さを求めること
- ステップ2:その正確さを維持しながらスピードをあげること
図にすると、下記の流れになります。
スピードと正確さの両方をともに上げていくにあたって、一つずつ訓練していく場合、次の2通りの筋道が考えられます。
- 正確さ→スピードの順
- スピード→正確さの順
の2通りです。
しかし、先にスピードを上げ、その後に正確さを求める、というやり方は有効ではありません。なぜなら、このやり方は不正確なままでスピードを上げることにつながるからです。そして、確かに終わるのは早いけど、よく計算間違いをする、という圧倒的に不利な習慣が身についてしまいかねません。(お子さんは大丈夫ですか?)
変な計算間違いの癖がついてしまうと・・・
勇二くんの通っている塾では、制限時間付きで毎回小テストが実施されています。いわゆるスピード訓練を重視した指導法が採用されていました。
正確に計算する訓練を終えたあとであれば、制限時間付きでの小テストも有効ですが、まだ正確に計算することもままならない状態で、スピード訓練をしてしまった影響で、計算間違いをする習慣を身につけてしまっていたのです。
このままでは計算間違いをする癖が直りません。直るどころか、余計に変な計算間違いをする癖がついてしまうことでしょう。一度、癖づいてしまうと、のちのちその癖を修正するところから指導する必要があり、余計に時間と労力がかかって大変です。当然、この塾は勇二くんの癖づいた悪い癖を直す指導までしないのは言うまでもありません。。。
スピードを求められるのは、テストのときのみです。自分で勉強するときには、スピード訓練を重視してやる必要はありません。新しく学んだことについては、まずはゆっくりでもよいですから、正確さを大切にしましょう。その次の段階として、その正確さを維持しつつ、テストに向けてスピードを上げていく…と考えるのが妥当です。
そうすることによって、最終的にスピードと正確さの両方を兼ね備えることができます。
まとめ
「スピードと正確さは、どちらが大事ですか?」
という質問に対しての答えは、勇二くんのこの状態においては、
「どちらも大事だよ」
と答えます。
また、
「正確さが先!スピードは後だよ!」
とその順序を示し、まずどちらを練習するのかを具体的に指示します。
LFLの家庭教師は、お子さんの現状および目的に応じて、どのような順序で学習していくことがよいのかも考えてアドバイスしています。こういったアドバイスを代表の齋藤自らが、面談や有料カウンセリング(希望制)の機会でお話ししています。
お子さんの学習でお悩みを持つ保護者様がいらっしゃいましたらお気軽にご相談下さい。代表の齋藤が一つずつ丁寧にヒアリングしながら、現状のお子さんにとって最適なアドバイスをいたします。