理系小論文って?
「理系小論文」という小論文のカテゴリーがあるのをご存じですか。
昨今、推薦・AO入試の増加に伴って理系の学部・学科でも小論文が課されることが多くなってきました。
ところが、世の中に出ている小論文の対策本や塾の講座を見てみると
「人文系/医療系」
という分類が主流です。
「理系小論文」
と銘打っているものはあまり多くはありません。
そこで、このコラムでは「理系小論文」についてご紹介します。
理系小論文は二種類ある
そもそも理系小論文というのは大きく分けて、二種類に分けられます。
一つは文章の題材が理系に関するもの(例:環境問題、遺伝子組換えなど)であり、それに関してどのような意見を持っているかを問うタイプの問題。
もう一つは文章に加えて表やグラフなどのデータや実験結果が示されていて、そこから読み取れることを問うタイプの問題です。
前者のタイプにおいては単にテーマが理系の文章であるだけなので、人文系や医療系と同じようにテーマに即した知識を持ち、その内容を踏まえて正しい日本語を用いて自分の意見を書けばよいです。ですので、国語の先生でも十分に対策を行うことができます。
ところがやっかいなのは、後者のタイプです。
単にデータの読み取り問題ならば理科の先生に頼めば教えてくれるでしょう。しかし、データ読み取り型の多くの理系小論文においては、読み取った客観的な事実を元に発展的な実験を組み立てたり、自分の意見を述べたりすることが同時に求められています。
さらにはそれを「小論文」という体裁にまとめる必要があるのです。
また、志望大学によっては課題文が英文であったりと、総合的な力が求められるようなつくりになっている場合もあります。
対策本や塾の講座数がまだまだ少ない現状からもこの総合的な力を要する理系小論文対策の難しさが伺えます。
理系小論文の対策方法は?
では、理系小論文を克服するにはどのような対策を行えばよいのでしょうか?
その答えは意外と簡単です。
単に要求される力の一つ一つを個々に高め、そして最後に理系小論文の過去問に取り組んでそれらの力を同時に用いる練習を積んでいけば良いのです。
個々の力とは、
- 教科書の関連事項を学習する
- 頻出テーマに関する本を読む
- 実験考察問題を解く
- 意見を述べるタイプの小論文に取組む
といったことによって身につけることが出来ます。そして理系小論文の過去問に取り組んだ後には第三者に添削してもらえば良いのです。
添削は誰がするの?国語の先生?理科の先生?
ただし、この添削者を誰に行ってもらうのかが問題です。
- 日本語がおかしくないか
- 第三者が読んでも意味が通じるか
というチェックであれば、保護者の方が手伝うことも可能ですが、
- 背景知識を正しく把握しているか
- データを正しく読み取れているか
- 「小論文」として正しい体裁になっているか
といった点は専門的な知識を持った人に見てもらわなくてはなりません。
先述したように、専門知識の面で言えば学校や塾の理科の先生に見てもらうのが良いのですが、多くの理科の先生は「小論文」の対策には慣れていないため、適切なアドバイスが返ってくることは期待できません。
かといって、国語の先生に頼めば「小論文」のアドバイスはしてくれても、専門知識の検証は難しいことでしょう。
そこで、単純に理科の先生と国語の先生、それぞれに別の視点から添削をしてもらうのが良いと考えられます。
ここでお気づきの方も多いでしょうが、こうした手間は理系の専門知識を持ち、かつ小論文の文章指導も出来る先生の存在によって解決されます。
理想的なのは、これらを一人でこなせる先生に指導してもらうことでしょう。
しかし、現実には理系の専門知識と小論文の指導能力を持ち合わせる先生というのは希少で、ほとんどいないといっても過言ではありません。
そこでそれに変わる方法として、それぞれの専門的知識を持った2人の先生に「連携」をしてもらいながら指導してもらうということが挙げられます。
なぜ「連携」なのか?
では、なぜ「連携」が必要であり、個々の先生からの添削では良くないのでしょうか。
学校や塾の理科の先生と国語の先生にそれぞれ小論文の添削を頼んだ場合、
A先生は「○○を◎◎のように直しなさい」
といったのに、
B先生は「○○を●●と直しなさい」
と別々のことを言われてしまうという問題もあります。
生徒にとっては同じ指摘箇所である○○を、◎◎と●●どちらにしたらいいのかわからないということが起きるのです。
これはA先生とB先生とがお互いに連携を取っていないときに起きます。
一方で、A先生とB先生が密に連携し、それぞれの専門領域を侵すことなく指導を行えば、両者メリットを最大限に生かした添削が受けられるわけです。
あらかじめ各専門分野の先生同士でディスカッションし、意見調整をしたのち、その結果を生徒に指導していくわけです。
そうすることによって、各専門分野からの視点が入り、かつ上記のような同じ箇所を別々に修正してしまう、ということはなくなるのです。
LFLの家庭教師では、先生同士が密に連携を取ってお子さんを指導することを理想としています。
難しいとされる「理系小論文」の対策も、上記のような連携によって指導可能ですので、もしお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。