お子さんの状況をどのように評価するのか?
「どのように評価するのか?」
を考えることはとても大切なことです。
評価方法を誤ると違った現状が見えてきます。
違った現状が見えれば、その「ひと言(評価)」も変わるでしょう。
これはお子さんの学習状況に対する評価についても同じことが言えます。
- 保護者の「思い込み」による評価エラー
- 先生の「思い込み」による評価エラー
- お子さん本人の「思い込み」による評価エラー
が起きています。
これらの「思い込み」による評価エラーは、できる限り避けて客観的に評価できるようにしたいところです。
自分の感覚だけで「いい」「悪い」を決めつけるのでなく、一歩引いた視点から、どんな評価エラーあるのか、今一度再確認しましょう。
代表的な9つの評価エラー
このコラムでは特に気を付けておきたい9つの評価エラーについてご紹介します。
- ハロー効果
- 対比誤差
- 近接誤差
- イメージ評価
- 寛大化傾向
- 中心化傾向
- 厳格化傾向
- 論理的誤謬
- 逆算化傾向
これらを知っていれば、評価エラーを起こす可能性が低くなります。
以下、個々の評価エラーについて個別に見ていきます。
●ハロー効果…ひとつだけで、すべてをよいと評価したり、すべてを悪いと判断する誤り
例)受験が成功すればそのあとの人生は安泰だと思ってしまう誤り。逆に、受験が失敗すればそのあとの人生がすべてダメだと思ってしまう誤り。受験が成功してもその後の人生が安泰だとは言えませんし、受験に失敗したとしても、その後の人生すべてがダメになるわけではありません。
●対比誤差…評価基準ではなく、評価者自身(自分自身)や他人など、他人と比較して評価する誤り
例)保護者の方自身の勉強経験を基準にしてお子さんの現状を比較してしまう誤り。「私は○○だったのに、うち子は××で」といった比較をする誤り。評価の基準を明確にし、その評価基準に照らし合わせて評価しましょう。
●近接誤差…直近の出来事が印象に残ってしまい、評価期間全体の評価が正しくなされない誤り
例)お子さんがテスト前日だけ頑張って勉強していた、というだけで、2週間前や1週間前の状況は考慮せずにテスト対策そのものをがんばったと評価してしまう誤り。評価期間全体を均等に評価しましょう。直前だけの頑張りを評価するのは誤りです。
その他、次のような項目があります。
●イメージ評価…「昔から勉強ができない」といった、漠然としたイメージで今を評価する誤り。
●寛大化傾向…評価そのものが甘くなってしまい、全体的に高い評価に集中する誤り。
●中心化傾向…無難な標準評価(普通の評価)に集中する誤り。よい評価や悪い評価を付けることができず、差がつけられない誤り。
●厳格化傾向…評価そのものが厳しくなってしまい、全体的に低い評価に集中する誤り。
●論理的誤謬…評価項目の内容を充分把握しないまま評価を行うがために評価結果が歪む誤り。
●逆算化傾向…総合評価を決定してから、それに合うように個別評価項目の評点をつけてしまう誤り。通常は、個々の項目ごとの評価があって全体の評価がある。
以上、9つの評価エラーをご紹介しました。
無自覚な「ひと言(評価)」がお子さんのやる気を削ぐ
お子さんの頑張りをより適切により客観的に評価することが大切です。
特に、お母さまからの何気ないお子さんへの「ひと言(評価)」が大きな影響力を持っています。その「ひと言(評価)」によって、お子さんのやる気を上げることも下げることもできます。
より適切により客観的に評価することは、お子さんのさらなる努力を引き出します。あなたは無自覚なお子さんへの「ひと言(評価)」によって、お子さんのやる気をそいでいませんか?
思い込みは自分で自覚しにくいからこそ「思い込み」と言われます。これら9つの代表的な評価エラーを頭の片隅に入れながら、お子さんへの「ひと言(評価)」を考えるとよいでしょう。
適切なタイミングでの、適切なひと言(評価)こそが、お子さんのやる気に火をつけ、お子さんの頑張りを促します。
今一度、日々のお子さんへのひと言(評価)について考えてみてくださいね。